救急医療の現場には毎日異なる重症度の患者が訪れてきます。救急外来では患者の容態を適切に判断できる人材が求められているため、基本的に受付ブースには判断力のある看護師がいます。救急医療では患者の容態に応じて順番を入れ替えて治療を行う必要が生じることもしばしばあります。少しの腹痛で訪れる人もいれば、激痛で真っ青な状況の人もおり、意識不明の状態で搬送されてくる人もいます。このように容態がまるで異なる患者を来院した順番に対応していれば、当然のことながら後に回された人が命を失うリスクがあります。
そのため、外来受付で患者に簡単なヒアリングを行って、緊急度を理解できる判断力が看護師には求められます。その判断力の根底にあるのは経験であるため、現場では十分に経験を積んだ看護師が渇望されています。
本気で医療の世界に尽くすと考える人しか、救急医療の現場で活躍できないと言っても過言ではありません。女性看護師が結婚して出産すれば、救急の仕事には柔軟に対応できなくなります。こうした理由で離職する傾向もあることから、休業復帰で現場に戻ってくる潜在看護師の需要が高まっています。
たとえ短い期間でも、救急の現場で勤務経験があれば判断力は育まれます。看護師の手腕なくして適切な医療を実現できないのが救急の現場です。そうした優秀な看護師を育てるために、現場では専門性の高い人材教育も行われています。そうしたことを考えれば、生涯かけて医療のスキルを学び続けたい人にとって、救急医療はまさに天職だといえるでしょう。